この記事の要点

先に結論を書くと、「中学受験をする子は何割か」に1つの答えは見つかりませんでした。何を数えて、何で割るかによって、数字が変わるからです。見つかった主な数字は次のとおりです。

  • 首都圏で私立・国立中学を受けた子は18.06%(2026年の入試、首都圏模試センターの推計)
  • 東京都の公立小学校から、都内の私立中学に進んだ子は19.9%(2025年3月卒業)。区ごとに見ると10.6%から48.5%まで開きがある
  • 関西は10.90%(2026年)。全国の中学生のうち私立中学に通う生徒は8.2%

調べようと思ったきっかけ

今、長女が中学受験に向けて勉強をがんばっています。ただ、正直かなりしんどいです。小学3年生の次女は来年から4年生になりますが、受験を応援するかどうか、迷っています。

私は今は都内に住んでいますが、地方の出身で、中学受験はよく知らない世界でした。妻は都内の出身で、自分も受験をしていたので、そういうものかと思っていました。でも、いったいどれくらいの子が受験しているのか。それが気になりました。

「中学受験をする子が増えている」「少子化なのに過去最高」という話は、よく目にします。ところが検索してみると、18%、2割、21%、1割と、記事によって違う数字が出てきます。どれを信じればいいのかわからなかったので、元の統計や発表までたどってみることにしました。

見つかった数字は、出どころでばらばらだった

たどり着いた数字を、何の割合なのかと一緒に並べてみます。

表1 見つかった主な数字(2026年10月4日確認)
数字何の割合か時点
18.06%首都圏で私立・国立中学を受けた子の割合(首都圏模試センターの推計)[1]2026年入試
18.6%同じく1都3県の受験率(日能研の集計)[2]2026年入試
19.9%東京都の公立小学校の卒業生のうち、都内の私立中学に進んだ子[4]2025年3月卒業
10.90%近畿2府4県の小学6年生のうち、統一入試の初日の午前に受験した子(日能研関西)[5]2026年入試
8.2%全国の中学生のうち、私立中学に在籍している生徒(250,049人÷3,060,031人)[6]2026年5月1日

「受けた子」と「進んだ子」、「小学6年生全体」と「公立小の卒業生」と、比べている相手がそれぞれ違います。同じ首都圏の受験率でも、首都圏模試センターは18.06%、日能研は18.6%で、受験者数は52,050人と53,730人でした[1][2]。推計の仕方が会社ごとに違うためだと思われます。

首都圏は、割合は高いのに人数は減り始めていた

「過去最高」という言葉が気になっていたので、首都圏模試センターの推計で受験者数の動きを追いました[1]。

表2 首都圏の私立・国立中学の受験者数(首都圏模試センターの推計)
入試の年受験者数(人)メモ
1991年51,0001つ目の山
2007年50,5002つ目の山
2023年52,600これまでで最多
2024年52,400
2025年52,300
2026年52,050過去40年で4番目。受験率18.06%は過去3番目

人数がいちばん多かったのは2023年で、2026年まで3年続けて少しずつ減っていました。小学6年生そのものが減っているので、割合は18%台の高いところにとどまっています。「少子化なのに過去最高」は、割合の話としては近いものの、人数については2023年までの話でした。

もう1つ意外だったのは、ずっと右肩上がりではなかったことです。1991年・2007年・2023年と、山が3つあります。受験率は、日能研の集計では2015年から10年続けて上がっていたそうです[3]。

東京は、区によって5倍近く違った

東京都教育委員会は、都内の公立小学校を卒業した子がどこへ進んだかを毎年まとめています。都全体では、都内の私立中学に進んだ子の割合が、2020年3月卒業の18.4%から上がり続けて、2024年3月卒業で20.1%。2025年3月卒業は19.9%で、少しだけ下がっていました[4]。

東京都の公立小学校の卒業生のうち、都内の私立中学に進んだ割合の推移。2020年18.4%、2021年18.7%、2022年19.4%、2023年19.8%、2024年20.1%、2025年19.9%
図1 東京都で、都内の私立中学に進んだ子の割合公立小学校の卒業生のうちの割合。2024年3月卒業の20.1%が、この6年でいちばん高い。

元の表(Excel)には区市町村ごとの人数が載っていたので、割り算してみました。23区全体で25.0%、多摩地域などの市部で10.5%です。区ごとの差はもっと大きく出ました。

表3 都内の私立中学に進んだ割合が高い区・低い区(2025年3月卒業)
区卒業者(人)私立中学へ(人)割合
文京区1,75284948.5%
千代田区57125244.1%
港区1,71271741.9%
目黒区1,64268641.8%
葛飾区3,41441012.0%
足立区5,15760711.8%
江戸川区5,58059110.6%

文京区ではほぼ2人に1人、江戸川区ではおよそ10人に1人で、4.6倍の開きです。同じ東京でも、住んでいる区によって「周りの受験」の見え方はまったく違いそうです。

2025年3月卒業の、23区ごとの私立中学進学率。文京区48.5%、千代田区44.1%、港区41.9%、目黒区41.8%、中央区39.6%、渋谷区36.3%、新宿区36.0%、世田谷区35.1%、品川区34.9%、豊島区32.3%、杉並区32.0%、台東区30.9%、江東区28.7%、中野区26.8%、北区24.8%、荒川区21.2%、大田区21.1%、板橋区17.8%、墨田区17.7%、練馬区16.8%、葛飾区12.0%、足立区11.8%、江戸川区10.6%
図2 23区ごとの、都内の私立中学に進んだ割合(2025年3月卒業)東京都教育委員会の表の人数から計算。点線は23区全体の25.0%。

関西と全国も見てみた

関西は、首都圏と少し違う動きでした。2026年は小学6年生が前の年より3,330人減ったのに、統一入試の初日に受験した子は267人増え、受験率は10.52%から10.90%に上がっています。日能研関西は、前の年の過去最高をさらに更新したとしていました[5]。首都圏は人数が減り始め、関西はまだ増えている、という違いがあります。

全国の受験率をまとめた公的な統計は、見つけられませんでした。近い数字として、文部科学省の学校基本調査では、全国の中学生3,060,031人のうち私立中学に在籍する生徒が250,049人で、8.2%です[6]。同じ調査で、全国の小学生は565万4千人と過去最少でした。

調べていて引っかかったこと

数字を集めるうちに、比べるときに気をつけないといけない点がいくつか見えてきました。

  1. 出願の数を、人数と取り違えやすい。1人が5校に出願すれば、出願の数は5と数えます。延べの出願数を小学6年生の数で割っても、受験した子の割合にはなりません。
  2. 割る数が違う。首都圏の受験率は、1都3県の小学6年生の数をもとにした推計です。東京都の19.9%は「都内の公立小学校の卒業生」で割っていて、国立や私立の小学校から進む子は入っていません。全国の8.2%は、中学1〜3年に在籍している生徒をもとにした割合です。
  3. 同じ会社でも、年によって数字が大きく動く。日能研の集計は、2025年が62,200人・21.5%[3]、2026年が53,730人・18.6%でした[2]。1年で8,000人以上の差は大きく、数える範囲が変わった可能性があります。理由までは確かめられませんでした。
  4. 東京都の数字には、都外へ進んだ子が入っていない。都外の中学校に進んだ子は別に数えられていて、2025年3月卒業で2.7%いました[4]。神奈川や埼玉の私立中学に進んだ子はこちらに入るので、19.9%は私立に進んだ子のすべてより少し小さめです。

「なぜ増えたのか」も、はっきりしなかった

理由も調べてみましたが、こちらも答えは1つになりませんでした。よく挙がる説と、データで確かめられたことを分けると、次のようになります。

表4 よく挙がる理由と、確かめられたこと
よく挙がる理由確かめられたこと言えること
公立の中高一貫校ができた1998年に法律が改正され、1999年4月から作れるようになった[7]受験の入口は増えた。私立・国立の受験者数への影響はわからない
東京都の授業料の支援2024年度から、私立高校の授業料の支援と、私立中学の授業料の助成(年10万円まで)で所得の制限がなくなった[8][9]首都圏の受験者数は2024年以降むしろ少し減っていて、増えた理由とは言いにくい
共働きの家庭や世帯の収入が増えた受験率との関係を数字で示した公的な資料は見つからなかった説の段階
公立中学や大学入試への不安保護者の気持ちを全国で測った統計は見つからなかった説の段階

過去の山と谷についても、バブル景気、2002年度からの学習指導要領(いわゆるゆとり教育)への不安、2008年のリーマン・ショックがよく理由に挙がります。時期が重なっているのは確かです。ただ、それぞれが受験者を何人増やした、減らしたと示す資料にはたどり着けませんでした。

なお、公立の中高一貫校だけを受ける子は、首都圏模試センターの「私立・国立中学の受験者」には入りません[1]。日能研の2026年の集計では、1都3県の公立中高一貫校の志願者が12,349人で、別に数えられていました[2]。

調べ終わって

「何割」と1つの数字で言い切るのは難しい、というのが調べた結論です。それでも目安はつかめました。首都圏ならおよそ5〜6人に1人、東京23区なら4人に1人、関西なら10人に1人くらいです。

人数のほうは、首都圏では2023年をピークに減り始めていて、小学生の数も過去最少です。割合が今の高さのままでも、受験する子の人数は少しずつ減っていくのかもしれません。2027年の入試の数字は、例年どおりなら2月に発表される見込みなので、出たらこの記事も更新します。

数字を追っているうちに、地域によって入試の始まる日がまったく違うことも気になり、別の記事にまとめました。中学受験の日程はなぜ地域で違う?

よくある質問

「受験率」と「進学率」は、どちらが正しい?

どちらも正しく、数えているものが違います。受験率は受けた子の割合、進学率は実際にその学校に進んだ子の割合です。合格しても公立に進む子がいるので、ふつうは受験率のほうが高くなります。

全国だと、中学受験をする子は何割?

全国の受験率をまとめた公的な統計は見つかりませんでした。全国の中学生のうち私立中学に在籍している生徒は8.2%です(2026年5月)[6]。受験したけれど公立に進んだ子は入らないので、受験した子の割合はこれより高いはずです。

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出典

  1. 株式会社ONETES(首都圏模試センター)「2026年の首都圏私立・国立中学受験者数は52,050名」(2026年2月19日、北一成) https://www.onetes.co.jp/blog/entry/entry005084.php (2026年10月4日確認)
  2. リセマム「【中学受験2026】1都3県の受験率18.6%…」(2026年2月19日。日能研の集計の報道) https://resemom.jp/article/2026/02/19/85137.html (2026年10月4日確認)
  3. リセマム「【中学受験2025】首都圏の受験者数2年連続減少」(2025年2月18日。日能研の集計の報道) https://resemom.jp/article/2025/02/18/80840.html (2026年10月4日確認)
  4. 東京都教育委員会「令和7年度 公立学校統計調査報告書(公立学校卒業者の進路状況調査編)」調査結果の概要(小学校・中学校・義務教育学校)・第1表 状況別卒業者数 https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/about/statistics_and_research/career_report/report2025 (2026年10月4日確認)
  5. 中学受験.JP「2026年関西圏中学入試状況」(2026年3月3日、日能研関西 進学情報室 森永直樹) https://www.chugaku-jyuken.jp/n_column/n_column-2451/ (2026年10月4日確認)
  6. 文部科学省「令和8年度学校基本統計(学校基本調査の結果)速報値を公表します」(2026年8月26日) https://www.mext.go.jp/content/20260826-mxt_chousa01-000050842_01.pdf (2026年10月4日確認)
  7. 文部科学省「中高一貫教育の概要と設置状況」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/2/1316125.htm (2026年10月4日確認)
  8. 東京都「所得制限なく私立高校等の授業料支援が受けられます」(2024年5月29日) https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2024/05/2024052909 (2026年10月4日確認)
  9. 東京都「所得制限なく私立中学校等の授業料支援(10万円)が受けられます」(2024年8月28日) https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2024/08/2024082810 (2026年10月4日確認)

更新履歴:2026年10月4日 公開