この記事の要点

併願は、受ける順番まで決めておくものでした。

  • チャレンジ校を続けない。最初の受験を、いちばん難しい学校にしない。
  • 午前と午後を続けて受けるなら、本番の前に一度、同じ流れで動いてみる。
  • 落ちても親が「想定内」と言えるように組んでおく。

空いていれば、午前も午後も受けるつもりだった

長女の合否判定テストの日、待ち時間に併願についての講演がありました。

それまでのわが家は、午前と午後が空いているなら詰め込むつもりでした。難しい学校と受かりそうな学校のバランスは考えていても、受ける順番はほとんど考えていなかったんです。

講演で聞いた、3つの分け方

先生はまず、受ける学校を3つに分けて考える、という話をしていました。分けるときの目安は、模試の資料に載っている「合格可能性50%」「合格可能性80%」の偏差値です。

表1 講演で聞いた3つの分け方
分け方どんな学校か先生が目安にしていた線
チャレンジ校今の成績より上。受かればうれしいが、落ちても不思議ではない合格可能性50%の偏差値に、子どもの偏差値が届いているか、その前後
実力適正校今の成績とつり合っている合格可能性80%の偏差値に、子どもの偏差値が届いているか、その前後
合格有望校今の成績なら、受かる見込みが高い合格可能性80%の偏差値を、子どもの偏差値が上回っている

第一志望の話もありました。第一志望はあこがれで、勉強を続ける力のもとになる学校。だから原則として変えない。成績から見ればチャレンジ校になることが多いけれど、それでいい。併願は、その第一志望に挑むための作戦だ、という考え方です。

わが家は、長女がこれまでに受けた合否判定テストの結果を平均して、候補の学校をこの3つに分けてみることにしました。

分けるのは、家族と塾の先生です

どの学校がどこに入るかは、模試の資料と塾の先生の話をもとに決めます。hitomeruは合否や合格の可能性を判定しませんし、この記事でもどの学校がどれに当たるかは書きません。

同じ学校でも、受ける順番で重さが変わる

3つに分けたら、次は日程の上に並べます。講演で併願パターンの「基本」とされていたのは、段差をつけた並べ方でした。最初に合格有望校で合格を1つ持っておき、そのあとでチャレンジ校に挑む。チャレンジ校の結果によって、翌日に受ける学校を変える。

併願の並べ方の例3つ。横が日程、縦が難しさ、赤い線が子どもの今の位置。よい形は、1月に合格有望校、2月1日にチャレンジ校、合格なら2日もチャレンジ校、不合格なら2日は実力適正校、3日にまたチャレンジ校。危ない形1は、4日ともチャレンジ校で線より下の学校がない。危ない形2は、1日目がいちばん難しく、日を追ってやさしくなる。
図1 講演で聞いた併願パターンを、架空の例で描き直したもの横が日程、縦が難しさ。赤い線が子どもの今の位置。挑戦はチャレンジ校、適正は実力適正校、有望は合格有望校。

危ないとされていた並べ方も2つありました。1つは、チャレンジ校ばかりを並べるもの。もう1つは、最初の受験がいちばん難しく、日を追うごとにやさしくなっていくものです。

順番を考えていなかったわが家には、2つ目が刺さりました。最初の受験で落ちて、次でもまた落ちる。そうなると、子どもの気持ちが下がったまま、残りの試験を受けることになります。最初に続けて落ちるとメンタルが下がる、という話は、聞いていて本当にそうだと思いました。

結果で翌日を変えるなら、時刻を先に並べる

講演では、当日のうちに発表がある学校や、試験の直前まで出願できる学校を使うと、チャレンジを増やせるという話もありました。2月1日に受けた学校の結果を夜に見て、2日にどこを受けるかを決める、という使い方です。

この作戦には、時刻の条件があります。前の学校の発表から、次の学校の出願締切までに、Web出願と支払いを済ませる時間が残っているかどうかです。

架空の例実在の学校の日程ではありません。

表2 結果で翌日を変える日の時刻(架空)
時刻起きること
2/1 21:00午前に受けたチャレンジ校の発表
2/2 6:00翌日に受ける学校の出願締切(合格ならチャレンジ校、不合格なら実力適正校)
2/2 8:30翌日の学校の集合

この例だと、発表から締切までは9時間あります。ただ、そのうちの多くは寝ている時間です。発表を見てから、どちらに出すかを家族で決めて、夜のうちに出願と支払いを終える。誰がやるのかまで決めておかないと、当日の夜にばたばたします。

印刷した予定表に手書きで書き込んだイメージ(架空)。1月10日のA中学校に「有望」、2月1日午前のB学園に「挑戦」と丸をつけ、2月2日のD中学校の下に「B学園が不合格ならこっち。21時の発表を見て、夜に出願」と書いてある。
図2 予定表に「落ちたら次はどこか」を書き込んだイメージ(架空)hitomeruの印刷の見た目とは違う。

合格したほうの学校には、入学手続きの締切もあります。別の学校の発表より先に締切が来ることもあるので、確認の順を発表より先に手続き締切が来るときにまとめました。

チャレンジ校が続くと、子どもも親もきつい

講演でいちばん印象に残ったのは、スライドに書かれていない話でした。先生の話を、私のメモから要約します。

チャレンジ校が続くのは、きつい。落ちるたびに落ち込み、それが重なると、気持ちがもたない。入試の疲れ方は、模試のレベルではない。だから、午前と午後を続けて受けようと考えている家庭は、一度シミュレーションしてみたほうがいい。できれば実際に、午前の会場から午後の会場まで移動してみる。どれほど疲れるか、それでわかる。

午前と午後を詰め込もうとしていたわが家には、耳の痛い話でした。朝から模試以上に気を張って試験を受け、電車で移動して、昼をはさんでもう一度試験を受ける。それを何日か続ける。日程表の上では空いている時間でも、子どもの体と気持ちは空いていないのだと思います。

2月1日に午前と午後の入試を受ける日の流れ(架空)。6時30分に家を出る。8時集合で午前の試験、12時30分に終わる。退場・合流のあと電車で40分移動し、昼食をとって午後の集合を待つ。15時集合で午後の試験、16時40分に終わる。電車で帰って18時に家に着く。夕食と翌日の準備。21時に午前の学校、22時に午後の学校の発表。結果を見て翌日の学校に出願する。
図3 午前と午後を受ける日の流れ(架空)家を出てから帰るまで、約11時間半。夜には発表が2つあり、翌日の出願が続く。時刻はhitomeruの架空サンプルに合わせた。

2月1日や2日の午後入試を使う方法も紹介されていましたが、そこにも「受験生に負担をかけすぎないように」という注意がついていました。午前の終わりから午後の集合までの間に、何が入るかは午前・午後入試の間に確認することで整理しています。

親が「大丈夫、想定内」と言えるように

講演の最後のほうで、先生はこんな話もしていました。子どもは不合格になると、パニックになることがある。そのとき親は、どっしり構えていてほしい。「大丈夫、大丈夫。想定内だよ」と言えるように。そのために、併願を組んで、シミュレーションしておく。

ここが、私にはいちばん響きました。子どもは、落ちたらへこみます。それは止められません。でも、親まで一緒に慌ててしまったら、次の日の試験に向かう子を支えられない。親がどーんと構えていられるかどうかは、落ちたときに次はどこを受けるのかが、前もって決まっているかどうかで変わるのだと思います。

スライドには、受ける学校の全部に受からなくてもいい、不合格も前提に組む、という一文もありました。全部受かる前提で組むと、1つ落ちただけで計画が崩れます。落ちる回があっても崩れない並べ方にしておく。講演で聞いた併願の考え方は、つまるところそこだと受け取りました。

よくある質問

この記事は、受験の専門家が書いたもの?

いいえ。書いたのは、長女の中学受験を控えている親です。講演で聞いた話と、それを聞いてわが家で考え直したことをまとめました。受ける学校や順番は、塾の先生と相談して決めてください。

講演をしたのは、どこの塾?

名前は出していません。細かい言い回しは私のメモによるもので、塾の公式の見解として書いたものではないからです。

hitomeruで、チャレンジ校や合格有望校に分けてくれる?

分けません。hitomeruは日程を並べて印刷する道具で、合否や合格の可能性は判定しません。分けた結果を、入試回の名前やメモ欄に書いておくことはできます。

受ける順番を、日付順の表で確かめる

入試回を入れると、日付順の予定・タイムライン・カレンダーに並びます。入試回ごとのメモは印刷した表にも載るので、「不合格ならこっち」を家族で同じ紙で見られます。合否の判定はしません。

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出典

  1. 合否判定テストの会場で、テストを主催する塾の先生が保護者向けに話した講演(テーマ:併願、2026年10月)。当日のスライドと運営者のメモから要約した。

更新履歴:2026年10月11日 公開